気温が下がって体臭が悪化!?秋や冬にワキガのニオイが強まる理由と対策
まとわりつくような暑さが続く日本の夏は、発汗量が増えるため汗のニオイに敏感になりがちです。電車やエレベーターなど、密室の空間で自分や他人の体臭が気になった経験を持つ方もおられるでしょう。
夏が過ぎて発汗が減ると汗のニオイはそれほど気にならなくなりますが、反対にワキガのニオイが強まってしまうケースがあります。秋や冬にワキガで悩まないためにも、正しい予防法と治療法の知識を身につけ、季節に合ったニオイ対策をおこないましょう。
ワキガ臭うのは夏だけじゃない!
気温が上昇し蒸し暑くなる夏は、汗やニオイが気になる季節でもあります。制汗剤やデオドランドを携帯し、入念にケアされている方も多いのではないでしょうか。
そして10月に入ると、夏の暑さが嘘のように気温が下がり肌寒くなります。汗をかきづらくなるこの時期は、夏と比べ念入りにケアをする機会が減りますよね。
しかし、気温が下がるからといって油断はできません。ワキガのニオイは汗と異なり、夏よりも秋や冬の方が強くなりやすいといわれているのです。そのため、ワキガ体質の方は一年を通してしっかりとワキガ対策をおこなう必要があります。
では、なぜ汗をかきづらい季節にもかかわらずワキのニオイが強まってしまうのでしょうか。その具体的な理由を探っていきましょう。
秋や冬にワキのニオイが強くなる理由
秋や冬は、体を激しく動かすことのない限り多量の汗をかくことはほとんどありません。そのため、汗をかくことによって発生するニオイは夏場に比べ抑えられます。
一方、汗をあまりかかない季節にワキガが臭いやすくなってしまうのは、ワキガの元となる汗を分泌する汗腺が通常の汗とは異なることが原因です。
通常、体温調節などで出る汗は「エクリン汗腺」と呼ばれる汗腺から分泌されます。エクリン汗腺の汗は約99%が水分で、サラサラしておりニオイの元となる成分をほとんど含みません。
一方、ワキガの原因となる汗は「アポクリン汗腺」という汗腺から分泌され、ここから出る汗はタンパク質やアンモニア、脂質といったニオイ成分を多く含んでいます。これらの成分を皮膚に存在する菌が分解することによって、鼻をつく強い刺激臭が発生する仕組みです。
そして、アポクリン腺から出る汗のニオイが秋や冬に強くなる理由は、汗腺の働きが低下し、成分濃度が高くなることが関係しています。気温が下がる季節は夏に比べ発汗量が減るため、自然と汗腺の機能が弱っていくと自浄作用が低下し、老廃物が流れず蓄積されてしまいがちです。。
その結果、タンパク質などの成分が汗に多く含まれるようになり、ニオイを発しやすくなります。
また、冬はコートを羽織るなど厚着で過ごすことが多く、通気性が悪化し汗がこもりがちに。そのため、ムレが生じ雑菌が繁殖しやすくなることもニオイが強まる原因の一つといえるでしょう。
気温が下がる季節のワキガ対策
気温が下がる季節は、汗が出づらくなることで成分が蓄積し、汗の濃度が濃くなることでワキのニオイがきつくなります。秋や冬のワキガを改善するためには、汗を流して汗腺の働きを活発にすることが大切です。
運動をして体を動かすことはもちろん、サウナや温泉で汗を流すこともワキガの改善に繋がります。ただし温度の高いお湯やサウナに長時間入る行為は体に負担がかかりますので、低温でじっくり汗をかくことを意識しましょう。
また、冬場は水分を摂取する量が低下してしまうため、発汗量が減り汗の濃度が濃くなりがちです。そのためサラサラの汗が分泌されるよう、水分をきちんと補給してください。
汗がこもるとニオイが強まる傾向にあるため、通気性のいい服を着用する、暖かい室内では上着を脱ぐなどして汗の量を減らすようにしましょう。汗をかいた場合は、こまめに拭き取るようにしてくださいね。
そして、これらの対策とあわせて検討したいのが医療機関でのワキガ治療です。医療機関のワキガ治療には、ボトックス注入やビューホット、シェービング法など複数の選択肢があります。
症状と希望に合わせた適切な治療を受けることで、高い改善効果を期待することができるでしょう。
おわりに
夏が過ぎてもニオイの悩みから解放されないというのは、ワキガでお悩みの方にとって非常につらいことです。生活習慣を改善したり清潔な状態を維持したりすることは重要ですが、四季を通して快適に過ごすためには、医療機関での治療を視野に入れることも大切かもしれません。
治療というと痛みや傷跡などの不安を抱きがちですが、注射やレーザーなど体への負担が少ない治療法も存在します。カウンセリングと診察を受けることで、そうした不安が解消され前向きにワキガ治療に取り組むことができるでしょう。