手汗や足の裏のベタつきが気になる!手足の多汗症を治療する方法
緊張したとき、ストレスを感じたときなど、手足が汗でベタつくことはありませんか?気温が高い日や運動時だけでなく、常に手足が汗ばんでいるという方は、もしかすると多汗症かもしれません。
多汗症のメカニズムと対策を知り、気になる手足のベタつきを改善していきましょう。
手足に汗をかくのはなぜ?多汗症の症状とメカニズム
暑い日でも運動時でも汗をかかない人を見て「羨ましい」と感じたことはありませんか?汗をかく人よりもかかない人の方が、清潔感があるようにみえますよね。
しかし、汗をあまりかかないというのは、体温調節が正しく行われていないということでもあるのです。
私たちの体には、体温が上がった時に発汗をして体温調節をする機能が備わっています。暑さを感じたり体を動かしたりした時に汗をかくのは通常の反応であり、健康な証拠ともいえるでしょう。
一方、常に手足がベタついているような場合は、多汗症である可能性が高いです。
汗には体温調節のほかに、緊張や興奮など精神的な影響で発汗する「精神性発汗」というものがあります。手や足裏の汗はこの精神性発汗が関係していることも多く、ストレスや生活習慣、ホルモンバランスの影響で自律神経が乱れると多汗症を発症しやすいです。
また、手の平に多量の汗をかく症状は「手掌多汗症(しゅしょうたかんしょう)」、足の裏の多汗症は「足蹠多汗症(そくせきたかんしょう)」というように病名が分かれているので、覚えておくとよいでしょう。
手足の多汗症を対策しよう
手足の多汗症を改善するためには、自立律神経の乱れを整えることが大切です。そのためには以下の2点を意識しましょう。
生活習慣を改善する
生活習慣の乱れは、自律神経のバランスを崩す原因になります。バランスの取れた食事をとることはもちろん、睡眠不足や運動不足にならないよう注意しましょう。
ニコチンやカフェインなどは交感神経を刺激し発汗を促す作用があります。タバコやコーヒーの過剰摂取は控えるように意識してください。
また、肥満になると汗をかきやすくなるといわれているため、肥満につながる偏食や暴飲暴食にはくれぐれも注意が必要です。
リラックスできる環境を作る
自律神経には交感神経と副交感神経があり、このうち交感神経が優位になった時に汗をかきやすくなります。自律神経を整えるためには、リラックスできる環境で過ごすことが大切です。
リラックスすることで副交感神経が優位になり、汗をコントロールできるようになります。
クリニックの多汗症治療について
多汗症は生活習慣や体質、ストレスなど様々な原因で発症するため、自力で改善するのは簡単なことではありません。根本的に解決するには、汗を出にくくするための多汗症治療をおこなう必要があります。それでは、手足の多汗症治療にはどのようなものがあるのかをみていきましょう。
内服・外用薬治療
抗コリン剤の飲み薬は、アセチルコリンという発汗を促す物質の分泌を抑え、汗の量を減らします。
また、ボトックス注射という、ボツリヌス菌から人体に有用なタンパク質だけを抽出した薬剤を患部に打つことでアセチルコリンの放出を抑え、過剰な汗の分泌をブロックする治療もあります。ボトックス注射の効果は3~6ヶ月(個人差あり)ほどで、多汗症を根治できるわけではありませんが、「手軽にできる治療」ですので定期的に受ける方も多いようです。
外科的手術治療
多汗症は内視鏡やレーザーで治療することも可能です。
内視鏡を用いた交感神経遮断術では、脇の下を数ミリ切開し、そこから内視鏡と電子メスを挿入して背骨付近の交感神経を切断します。切開するのは2~4ミリ程度ですので傷跡はほとんど目立ちません。
また、レーザーを使用した「ビューホット治療」は、高周波(RF)の熱でエクリン汗腺を破壊し、手や足裏の発汗を抑制する切らない多汗症治療機器です。メスを一切使用しないため傷跡が残らず、周囲に気づかれる心配がありません。治療時間も30~40分と短時間で済み、1回の治療で持続的に汗が減少します。ハンドピースがコンパクトですので、手のひらや足の裏の複雑に凸凹した部分でも、照射漏れなく細かく高周波(RF)を患部に当てることができますので、根本の治療が可能です。
他の部分からの発汗が増える代償性発汗の副作用がないのも特徴で、ボトックス注射を続けるのであれば、ビューホット治療を検討されるという方も多いようです。
おわりに
手足の多汗症は、持つものが湿る・汗で蒸れて悪臭を放つなど、日常生活にさまざまな影響をおよぼします。汗を気にすることでストレスが増え、さらに多汗症が悪化してしまうこともありますので、注意してください。
多汗症は適切な治療を受ければ根治ができますので、気になる場合は医療機関を受診し、治療法について相談してみましょう。